お杉おばばの道に関する名場面
バガボンドの名場面としてぜひ紹介したいのは
又八とお杉おばばの宮本村への帰還を描いた場面です。
嘘にまみれた人生を送ってきた又八がやっと自分に残った大切なものに気づき
病に倒れたおふくろ（お杉おばば）を背負い宮本村に向けて歩き出します。
女に溺れ許嫁を失い友を失い
全て自分で招いたこと
それを悔やみやっと自分の弱さを認めた又八
そんな又八にお杉お婆はこんな言葉を掛けます。
「又八…この世に強い人なんておらん 強くあろうとする人 おるのはそれだけじゃ」
「よう言うた又八 弱い者は己を弱いとは言わん
おぬしはもう弱い者じゃない 強くあろうとする者 もう一歩めを踏みだしたよ」
自分も常に強くあろうとしたお杉おばばのこの言葉は身にしみます
きっと武蔵の強さに憧れている又八の気持ちも全て分かっているのでしょう
嘘もすべて又八の顔を見れば分かるのでしょう。
血は繋がっていない本当の家族ではないのですが
お杉おばばの人生は又八に捧げていました。
「わしは信じる あの子を信じて言うてやる よくやっとると、頑張っとると
悔しいんじゃあの子は 武蔵のようにはできぬことが
何が嘘だとてかまわぬ 母だけは見方じゃ。」
又八にまっすぐ生きて欲しい。
終始武蔵に対して悪態をついてきたお杉おばばとは思えないほど弱ってしまったのですが
死に際に直面してとても素直な言葉がどんどん出てきます。
「ほうら 言うたじゃろ おぬしの未来は広がってゆく 八の字の如くに 負けるな又八 負けるな」
「ただ真っすぐに一本の道を進むは美しい じゃが普通はそうもいかぬもの
迷い 間違い 回り道もする それでええ 振り返って御覧
あっちにぶつかり こっちにぶつかり 迷いに迷ったそなたの道は きっと誰よりも広がっている
道が広がった分おぬしは 誰よりも人に優しくできる
わしも 武蔵も なれなかった人間になれる」
人生の大半を又八に捧げてきた母親の名言って感じです。
なけますね。
関連ページ
- 「ふう、さてやりますか」武蔵ＶＳ伝七郎の再戦の名場面
- バガボンドの記憶に残る漫画の名場面や名シーンを集めました。